さあ、はじまりますよ。 ピエピロサーカスがほこる、奇跡の猛獣つかい、ナップナップの猛獣ショー。 しかし驚くなかれ、このショーには猛獣が一匹も登場しません。 なぜかというと……?
「ヒューパチッ ヒューパチッ ヒューパチッ」 ナップナップがならすムチの音は、サーカスのテントを飛び出していき 世界のあちらこちで、猛獣のこころをしずめるのです。 北の森では、道に迷ったハイカーたちにおそいかかろうとした熊のこころを。 東の海では、人食いザメのこころを。 西の川でも、南の草原でも、ほら。 なりひびくムチの音で、猛獣たちのこころは、やさしくおだやかなこころに大変身。 けれども、ショーはここからが本番だったのです……。
軽妙でいて、哲学的な雰囲気も漂う、いとうひろしさんの絵本。 白地に、赤・青・緑の色づかいが、時空を超えるような独特の空気感を演出しています。 このお話は、いっぷう変わっています。 猛獣つかいのムチの音は、じつは、“こころにすむ猛獣”にも効くんですって……。
サーカス団長さんのとうとうとした語り口にさそわれ、 いつのまにか読者は、不思議なムチの音の世界へ。 「ヒューパチッ ヒューパチッ ヒューパチッ」 あなたのこころに、猛獣はいませんか? ドキッとした、そこのあなたも、わたしも。 猛獣つかいのムチの音を、しっかりこころにきざみましょう……。 ん? ええ、たしかに、ムチの購入も検討したくなっちゃいますね。
(大和田佳世 絵本ナビライター)
みなさま、たいへんながらくおまたせいたしました。わがピエピロサーカスがほこる、きせきのもうじゅうつかい、ナップナップのとうじょうです。ヒュー パチッ ヒュー パチッこれが、ナップナップのムチのおとです。いま、このムチのおとは、テントをとびだして、せかいのあちらこちらにひろがっていきました。さあ、みなさんも、ムチのおとをおいかけて、もうじゅうつかいのたびにでかけましょう−−。 『だいじょうぶだいじょうぶ』、「おさる」シリーズ等で人気の絵本作家、いとうひろし氏の新作絵本。
「あなたの心に猛獣は いませんか?」1本800円の猛獣使いの鞭は、家に置いておけば、役にたちそうです(笑)
”ヒューパチッ ヒューパチッ ヒューパチッ”と、猛獣使いの鞭が響きわたると、心の猛獣をしっかり飼いならせていつまでも穏やかな心で過ごせるのがいいなあと思いました。 (押し寿司さん 60代・じいじ・ばあば )
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