「夏の野の繁みに咲ける姫百合の知らえぬ恋は苦しきものそ――大伴坂上郎女」 「大海の磯もとどろに寄する波割れて砕けて裂けて散るかも-――源実朝」 ……万葉人が、戦国武将が、そして近代、現代の日本人が詠んだ五七五七七を口ずさむと、1300年前の野に咲いていた姫百合の花が目の前に浮かび、鎌倉時代の波しぶきが、生き生きとふりかかってきます。
第一章では歴史人物の辞世の句を含めたそれぞれの生き方を、第二章ではいつの世も身のまわりにある自然の素晴らしさを、第三章では人の孤独や不安を、第四章では青春の日の友情を、第五章では恋する気持ちと愛の想いを、第六章では親子や家族への想いを、第七章ではいのちの尊さと人生における旅を詠んだ歌をご紹介。
日本人なら知っておきたい名歌や若い人の共感を呼ぶ作品を収録しています。
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