本当のやさしさ、本当の強さって・・・?ボノロンとゴンがはじめて出会うお話です。
のら犬のゴンは、朝からお酒を飲んでよっぱらっていました。 そんなゴンを見て、村人たちは石をなげつけたり ぼうでなぐりつけたりしています。 ゴンはいつも、村人たちの台所からお酒をぬすんでいたのです。 毎日いためつけられ、ゴンはきずだらけでした。
ゴンのねぐらは、大きなイチョウの根元のちいさなほこら。 ゴンにはお酒を飲まなければならない、つらい理由があったのです。 イチョウの木は、その理由を知っています。 つかれはてたゴンの上に、イチョウの葉っぱがたくさん落ちてきて ゴンをあたたかくつつみこみました。
「もうこれいじょうお酒をのんだら、オイラは死ぬワン。 だれか…助けてワン…ワン……」 ゴンの目から涙がこぼれおちた時―――。
ゴンのからだがきゅうに空に浮かびあがりました。
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