ふたりの女の子が、神社の境内でかくれんぼをしています。 もう、いいかい? まぁだだよー。 もう、いいかぁい? まぁーだだよー!
桜の木の下で、しゃがんで目を覆っている子が「もういいかい」というと もうひとりの子は「まあだだよ」といいながら トンボをみつめ ちょうちょを追い たんぽぽ畑で腕輪をつくって…… いま、春のまっただなかにいます。
ピィー ピィー ピーーィ……
地上には、満開の桜。 空には、舞うとんびの鳴き声。 時がとまったような、ふしぎな時間がながれます。 「もう、いいよー!」の声でようやく目をあけた子は、 すぐ目の前で、小さな枝をのぼるてんとうむしに気づき…… 「あっ!」
最後、ふっと画面がひろがっていく感覚がなんともいえずあざやか。 春ののどかな一瞬、一瞬がとじこめられた絵本です。
(大和田佳世 絵本ナビライター)
ちいさな女の子がふたり、神社の境内でかくれんぼ。「もういいかい?」「まぁだだよ!」満開のさくら、若々しいみどり、あたたかな春のひざしのなかで、軽やかに動く子どもの心を、中野真典が味わい深いタッチで描きました。
「もういかい」「まあだだよ」の繰り返しがメインです。
春先の穏やかな日差しのの中で、小さな女の子2人がかくれんぼをしています。
ここはどこかの村か町のはずれにある神社でしょうか?
さくらやタンポポ、地面にはタンポポを始めとする、オオイヌノフグリ、ヒメオドリコソウ、カラスノエンドウらしい雑草など「春」の花々が描かれています。
子どもたちの側には蝶やテントウムシが楽しそうに空を舞っています。
文字はとても少ない作品ですが、読み聞かせで使うときは1ページ1ページゆっくりめっくてほしいなぁ〜と、思います。
春の世界を堪能できる素敵な作品です。
絵が多くを語ってくれているので、3,4歳くらいのお子さんからおすすめしたいです。 (てんぐざるさん 40代・ママ 女の子20歳、女の子15歳)
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