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森のはずれに、旅のねずみがテントを張りました。だれも近づかないよそものに、かえるくんだけは興味しんしん。やがてすばらしい友情が生れます。
かえるくんシリーズの一冊です。
ある日森のはずれにテントを張って住みついた旅のねずみくん。
かえるくんは興味津々で、なんでもできるねずみくんに憧れの念さえ抱きますが、他のお友だちは余所者のねずみなんて悪いやつに決まっていると、ねずみくんのことを否定し続けます。
結局他の動物たちは、なんでも出来るねずみくんに窮状を救われて初めてねずみくんのことを認めます。
そして最後には友情が生まれます。
このお話は社会の縮図になっていて、むしろ子どもより大人の方がいろいろと考えさせられるものがあるかもしれません。
余所者とか他の違うということに対して、自分では気づかないうちに排除していることは、私たちの身近なところでよく見られることです。
相手の中身を知ろうともせずに、一方的に排除するのはとても恐ろしいことです。
ねずみくんはとても強く、他人にどう思われるかなんて気にしないし、自分をしっかり持っているので、動物たちの冷たい視線もうまく受け流すことができます。
けれど、ねずみくんのように強い人は少なく、排除されることに傷つく人がほとんどです。
私たちは時々自分の行動を振り返って、先入観で間違った判断をしていないか考えなければいけません。
よく知りもしないで、子どもの友だちを親が勝手に選ぶとかそんなことしないように気をつけたいものです。
いろいろ考えさせられる本でしたが、ねずみくんを排除するシーンが長くて、お話としては十分楽しめるところまでいかなかったのが残念です。 (金のりんごさん 40代・ママ 女の子12歳、男の子8歳、男の子6歳)
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