「うそをついたら、鼻が伸びてしまいますよ。」 子どものとき、そんなことを言われたことはありませんか? それは、ピノキオの物語から来ているって知っていましたか?。 本作は、イタリア人作家カルロ・コッローディの児童文学を原作に忠実に再構成した絵本です。
しゃべったり動いたりする不思議な丸太をもらったジェペットじいさん。 それで人形を創ると、まるで生きているように動きだしたのです! ジェペットじいさんは息子ができたと大喜び。ピノキオと名付けて、学校に行かせることにしました。 ところが登校の途中、ピノキオは芝居小屋の誘惑に負けてそこで働くことに。そして、もらった金貨を狙う悪者に木から吊るされ困り果ててしまいます。そこへやさしい妖精がやってきて助けてくれたのですが、「金貨はどこにあるの?」とたずねる妖精に、ピノキオは「なくしちゃった」とうそをついてしまうのです。そのとたん、ピノキオの鼻がたいへんなことに! 妖精はこういいました。 「うそをつくと、鼻が伸びるのよ。あなたがこれからいい子になるなら、いつか人間にしてあげます。」 さあ、ピノキオは、いい子になり、人間になることができるのでしょうか?
斉藤洋さんの軽やかな語り口と、杉浦範茂さんの個性的なイラストが魅力的で、この先どうなるの? と一気に読んでしまう絵本です。ピノキオの天真爛漫な姿をおもしろおかしく読みながら、ハラハラドキドキの冒険と、そこからの学びを一緒に体験できることでしょう。 ジェペットじいさんを助けるピノキオの姿からは、“本当の人間とは、大事な人のために勇気を持って行動できる人である”、そんな深いメッセージも受けとることができそうですね。
(長安さほ 編集者・ライター)
ある日ジェペットじいさんは、しゃべったり、うごいたりする丸太をもらい、その丸太で人形をつくり、できあがった人形にピノキオという名前をつけ自分のむすこにして……。 イタリアの近代児童文学の名作「ピノキオ」を、なるべく原作に忠実に、絵本として再構成。斉藤洋氏の軽妙で楽しい語り口に、杉浦範茂氏のていねいで夢のある絵。「ルドルフとイッパイアッテナ」のコンビで送る名作絵本。10分間で読みきかせられる文字量で、お子さまの集中力がとぎれません。
ピノキオを読んだのは少年時代です。とても興味深いお話だったのを覚えています。そしてピノキオのイメージがいつまでも心に焼きついて離れませんでした。あれから何十年もの歳月が流れました。最近、ピノキオをあらためて読むと、空想と機知にあふれた、素晴らしいお話だと思いました。これは様々な教訓が宝石のように散りばめられていると思います。 (水口栄一さん 60代・その他の方 )
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