わしは、何百年も海の上を漂っている。その姿は、マンタと呼ばれるおおきなえいに似ているらしい。とにかくわしはおおきくて、わしにくらべたら、クジラはまるで小魚のよう。これから話すのは、ぜんぶ、わしのせなかにできた「せなか町」で起こったこと。あまのじゃくなカーテン、少女の涙からうまれた極上のハチミツ、はこからちっとも出てこようとしないネコ。ちいさくてささやかだけれど、どれもとびきりふしぎなお話なんじゃ。
年老いた海の王(マンタに似た生物)のせなかの上にあるせなか町を舞台にした短編集。
おばあさんのために窓を覆うひねくれカーテンの話だったり、遊んでいるときに自分の名前を落としてしまった女の子の話だったり。
ふしぎな童話たちでよかったです。
せなか町でのお話たちなので登場人物たちが話のあちらこちらでつながっていて、ちょくちょくこの人また出たと思ったり。 (みちんさんさん 30代・ママ 女の子5歳、女の子3歳)
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