時は宋の時代。舞台は中国の港町泉州。14歳の少年、李斗はある日、自分の屋敷に妖魔がすみついているのではと疑う。そこで妖魔退治を専門とする白鶴観へ相談に向かうが、そこで〈ウサギ〉に、右足を食いちぎられ、死んでしまう。だが驚いたことに、李斗は生きていた。夢だったのかと思ったが、親友の呂方から、李斗は確かに、死んだはずだと伝えられる。では、今ここにいる自分はだれなのか? 一体、自分の身に何が起きたのか? 南宋時代の泉州を舞台にした、封魔鬼譚、序章の物語。『三国志』『水滸伝』など中国古典でおなじみの渡辺仙州氏が書いたチャイニーズホラーファンタジー。
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