雪が溶けて、森には春がやってきました。 冬のあいだ眠っていたどうぶつたちが目を覚まし、楽しく遊びはじめたようです。 ところが、クマさんが見当たりません。 ようすを見にいってみると、まだぐっすり眠っているではありませんか!
あの手この手でクマさんを起こそうとしますが、森のみんなが力を合わせても、体のおおきなクマさんはぜんぜんへっちゃらで眠りこけています。
ふだんならもう、クマさんも起きていっしょに遊んでいるのに……。 どうしたものかとみんなが頭を悩ませていると――
「ぼくがクマさんを起こしてあげるよ!」
やってきたのは、ちいさなちいさなアリさん。
「ぼくたちが力を合わせても起きないんだから、アリさんにはできっこないよ」
そんなみんなの声にもおかまいなし、アリさんは自信満々。 いったいどうするつもりでしょう?
なんてカラフルでにぎやかな絵本! どうぶつたちが遊ぶ森も、クマさんの家も、色とりどりの花々であふれています。 どうぶつたちの着ているオシャレな服も、その春めいた色合いになんだかわくわく! まるで春のイメージをそのまま絵本に貼り付けたような、かわいらしい作品です。
クマさんを起こそうとしてどうぶつたちがいろいろ試してみる場面では、読み手もいっしょにクマさんを呼んでみたり、絵本をゆすってみたり、動きのある遊び方もできる本作。 見ているだけでも楽しいカラフルなイラストで、ちいさな子からじゅうぶんに楽しめる印象です。
カラフルな花模様が好き? それならきっと、お気に入りの一冊になるはず!
(堀井拓馬 小説家)
もう春なのに、くまさんはまだ眠り続けています。森の動物たちは、なんとか起こそうと奮闘しますが、なかなか起きてくれません。最後は、一番小さく力もないありさんが…!?
2歳1ヶ月の孫が、いつも11歳の姉を起こすのに、「おきて〜!」と、いつも言っているのでくまさんとだぶってしまいました(笑)
春が訪れたからくまさんと一緒に遊びたいたぬきさんと、きつねさんと、うさぎさんは、起こしてあげようと、森の仲間がやってきたのもみんなやさしいなあと思いました。必死で起こしても起きないくまさんに、ありさんがやってきて「小さいから出来ることだってあるんだよ。」と、くまさんの顔のところまで登ると、くまさんの鼻の穴に入ったり出たりしてとうとう起こすのに成功しました。くまさんの「なにかいいことがあるの?」でみんなが笑って春がきました(笑)
とてもカラフルな明るい春がいっぱいの色彩がよかったです。 (押し寿司さん 60代・じいじ・ばあば )
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