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異形のモノと人は本当に愛しあえるのか。安房直子の作品のもう一つのテーマ。恋人たちの情熱と悲しみを描いた物語をあつめる。
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安房直子さんは、35年以上に渡る私の大好きな児童文学作家です。
一昨年、代表的な作品が「安房直子コレクション」という全7巻の童話集なりました。
この第5巻には、「恋人達の冒険」というタイトルがつけられ、恋人たちの物語5編が入っています。
『天の鹿』『熊の火』『あるジャム屋の話』『鳥にさらわれた娘』『べにばらホテルのお客』。
どのお話も、人間と動物の組み合わせになっています。それが過剰なメルヘンでもなく、奇怪でもなく、とてもしっとりとしていて自然です。
安房直子さんの作品は、自然と人との共生を謳いあげたものが多いのですが、こんな恋人達のお話にすら、その姿勢を窺うことが出来ます。
骨組みがしっかりしているので、浮ついたところのない、良質なファンタジーになっています。
この童話集には挿絵がありませんが、お話の構成が素晴らしいので、小学校中学年以上なら、お話の面白さで、読み聞かせることが出来ると思います。
ただ恋人達のお話なので、その辺の機微や情等が理解できるかどうかは未知数です。
高学年では、是非自分で読んでみることをお勧めします。
ただし、男の子には、ちょっとわかり難いかもしれません。 (金のりんごさん 40代・ママ 女の子12歳、男の子9歳、男の子6歳)
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