ぼくたちは、本当は多くのチャンスを持っている。作家・石井光太が写した世界の子どもたちの姿と、日本の子どもたちにおくるメッセージ。
子どもが夏休みの人権作文の宿題が出来ないので、何かないかと思っていた矢先に目について手に取った写真絵本です。
別に我が家は金持ちではなく、どちらかというと中の下の生活をしていると思うのですが、それでも何かに欠けているわけではありません。
そんな中に育った子供に、人権について書けと言われても、結局、人権という言葉の意味すらはっきりと捉えられていないので、「書けない、書けない」と大騒ぎするのは、ある意味至極当然かなと妙に納得してしまいました。
それでも宿題はしなければいけないし、そろそろ、自分がどれだけ恵まれている環境にいるかを自覚しなくてはいけないと思い、少しだけ手伝うことにしたわけです。
この本を選んだのは、写真を使っているので、否応が無く他の国々の人々の生活を垣間見ることができ、そして自分の生活との違いをはっきりと感じられることができるからです。
でも、この本のもっとすごいところは、「だから恵まれているんだ」とか、「そういう人々のことを考えろ」というような説教っぽい、言葉は悪いですが、押し付けがましい偽善的なところがないところです。
私たちには様々なチャンスがあり、それを最大限生かして生きていけば、しいてはそれがよりよい社会を作り出すことになると結ばれています。
全ての人が、他の誰かの為に何かをするなんて無理なことです。大人の私には、残念だけれどそういうものだとしか言えません。でも、その中の何人かが、よりよい社会を作りたいという気持ちを持つにいたる、これがとても大切なことだと思うのです。そして、出来れば、自分の子供がそういう人の一人になればいいなと。
そんなことを伝えてれた本です。 (汐見台3丁目さん 40代・ママ )
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