散歩に出かけたおばけのアッチと、のらねこのボンと、ねずみのチとキ。丘の上にねころんで空を眺めていたら、パンがふわふわと空から落ちてきました! びっくりするほど美味しいパンに、みんなは感激! 作ったのは、おなかがぺこぺこの人に、空から雲のパンを届けてくれる伝説の「くものパンやさん」でした。 アッチはパンの作り方を教えてほしいと頼みますが、教えてもらえません。アッチたちは、こっそりパンやさんにくっついて、空にのぼっていきますが……。 ★わくわくする冒険、広がるイメージ! 角野童話ならではの魅力一杯の幼年童話です。
腹ペコのアッチたちは、空に浮かぶ雲をパンに見立てた。そこに本当に焼きたてのパンがふってくる。伝説の雲のパン屋さん登場。おいしいパンをもう一度食べたく、みんなは再度雲のパン屋さんにお願いしようと屋上から叫ぶが…
焼きたてのパンの香りがしそうな美味しい絵本。こういう話を読むと、絵と楽しくてリズミカルな文章の効果で、パンが無性に食べたくなる。きっとこれを読んだ後は、誰でもパンを探してしまうだろう。
子どもの頃にだれもが空を見上げていろんな空想をしたと思うが、そんな思い出を思い出すような話で心がほっこりする。もくもくしているふんわりした雲は、色を想像してパンやお菓子、綿あめ、動物、玩具、妖精などいろんなファンタジーを連想させてくれる。お腹がすいて歩っていた下校時に、空の雲を食べ物に見立てていた小学校時代。給食のパンや、うちで食べるパンもそんなに美味しいものではなかったはずなのに、どうしてか非常に美味しいパンを、食べたこともないのに連想していた。
筆者は子どもの時の気持ちをよく覚えているのだと思って感心した。大人も楽しめるお話。 (渡”邉恵’里’さん 40代・その他の方 )
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