チトくんはお母さんの背中におぶわれて、市場にやってきました。 きょろきょろしているとバナナうりのアデさんがバナナを6本くれました。 暑くなってきて、オレンジうりのフェミさんが、汁気たっぷりのオレンジを5個くれました。 背中におぶわれたままのチトくんはそれぞれ1つずつ食べて、残りをお母さんの頭の上のかごに、ぽいぽいっ。 お母さんは買い物に夢中でちっとも気づきません。
チトくんはもらったものを、どんどんお母さんの頭上のかごに入れていきます。 かごは、どんどんいっぱいになっていきます。 お母さんが買ったお米や油やサンダルに加え、チトくんがもらったものも加わっていくんですから!
西アフリカ出身の2人、作者アティヌーケと画家アンジェラ・ブルックスバンクによる絵本。 信じられないほどたくさんの荷物を頭にのせた女性や、大人にまじってココナツをリヤカーで運んだり、オレンジの皮をむいたりする子どもたち。 店先でお母さんとまどろむあかちゃんもいたりして、おおらかで楽しそうな西アフリカの市場の絵をいつまでも眺めていられます。 ちなみに、チトくんがもらうものの数が、6本、5個、4個、3本……と数が1つずつ減っていくのもポイント。 さりげなく数に親しめる絵本になっています。
「きょうはなんだかずいぶんおもたいわね」と怪訝な顔をしながら、「チトはお腹がぺこぺこなはず」と心配するお母さん。 親子が互いへ寄せる愛情は、読んでいて幸せな気持ちになります。 最後は市場のみんなが、笑顔でタネあかし! 知らぬ間にモノが増える面白さや、チトくんに注がれるみんなのやさしいまなざしに、心があたたかくなる、読み聞かせにぴったりの絵本です。
(大和田佳世 絵本ナビライター)
チトは、おかあさんと市場にやってきました。市場のひとたちは、おかあさんにおんぶされたチトがかわいいので、バナナやオレンジ、ココナツやおかしなどを次々にくれます。チトは、もらったものをひとつたべたら、のこりをおかあさんの頭の上のかごに、ぽいっ! でも、おかあさんは気づかずに…? アフリカのにぎやかな市場の様子や親子のやりとりが楽しい、読み聞かせにぴったりの絵本!
明るい色合いのイラストに惹かれ、手に取りました。
舞台は西アフリカの市場。
お母さんにおんぶされて市場にやってきたチトに、市場の人たちがバナナやレンジをくれます。
チトは一つだけ食べては、残りをお母さんの頭の上のカゴにぽいっとして…
気づかないでいたお母さんは、カゴを下ろしてびっくりです。
読みながら、「ハンダのびっくりプレゼント」を思い出しました。
こちらもおおらかで楽しい絵本です。 (クッチーナママさん 40代・ママ 女の子16歳、女の子13歳、男の子11歳)
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