北の国から、風の子のこがらしぼうやが、大きなうちわをかついで飛んできました。しかし、こがらしぼうやが地上におりていくと、野ネズミたちもアカリスたちもみんな逃げてしまいます。こがらしぼうやには、なぜみんないなくなるのか、わかりません。
こがらしぼうやは、洞窟をみつけ、そこで休むことにしましたが、そこには、じょろうグモばあさん、大ガマガエル、トカゲ、ゲジゲジ、ミミズ、ムカデ、ナメクジなど、森のきらわれものたちが住んでいました。こがらしぼうやは自分自身も、まぎれもなくきらわれものの一員であることがわかり、悲しくなります。
翌朝、子ネズミが行方不明になったので助けてほしいと、野ネズミ母さんがこがらしぼうやのところにやってきました。こがらしぼうやは一人の力では無理だと悟ると、洞窟の仲間に力を貸してほしいと呼びかけます。すると……。
心あたたまる幼年童話。
心やさしいこがらしぼうやが、森のなかまたちのため
けなげにがんばります!
ぼうやの助っ人で登場するのが、すごいメンバー。
これでもか!っていうくらいのきらわれものばかり。
だけど、みんな堂々としていて カッコいいのです。なかでも、じょろうグモばあさんの小気味いい語り口がなんとも良いのです。
ふとんの中でお話を聞いていた息子の頭は、毎日小っちゃいかえるや バッタを追いかけて遊んでいた幼稚園のころの思い出でいっぱいに。
「あのころは楽しかったなぁ。」などと、センチな気分にひたっていました。
おんなじ本を読んでも、感じ方や思いをはせる方向は人それぞれ。読み聞かせのあとの息子との会話もまたおもしろいです。 (かあさんはおこりんぼうのメガネさんさん 40代・ママ 男の子9歳)
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