「どんなときも政宗公であることで、おれはこの街の力になりたいと思ってるんだ」
檜山春樹は、スポーツや勉強で本気になることが苦手な小学校5年生。そんな春樹と両親のもとに、ある日、戦国大名・伊達政宗から手紙が届く。手紙を出したのは、大学を中退して以来、音信不通になっていた兄・夏樹だった。 夏樹は、大学を中退してから、芝居を学び、今では宮城県や仙台市をPRするおもてなし隊「奥州・仙台 おもてなし集団 杜乃武将隊」のリーダー・伊達政宗として活躍しているという。小さなころから自分の面倒を見てくれていた兄のことが大好きだった春樹は、「大学を卒業したら、帰ってくる」という約束を破った兄を許すことができない。 そんな兄をとっちめるために、檜山家を代表して、仙台市に住む祖父のもとにむかった春樹。はじめは、大人のクセにコスプレみたいな格好で、チャンバラごっこをしている兄のことが恥ずかしくて、許せなかった春樹だが、東日本大震災の被害に遭いながらも、武将隊に元気をもらって前向きになれたという美咲とその祖母・水沢さん、津波で家をうしなったというお年寄り、兄とともに武将隊で活躍する小十郎さんら、仙台の人びととふれあううちに、少しずつ気持ちが変化していく。 仙台を去るとき、春樹が見つけた答えとは……。
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