清らかな少女と世間から少しはずれて生きる路上暮らしのおじさんが、ことばのない音なしの関わりから、不思議にこころ通わせる物語。現代社会をつよく照射する作品です。モノトーンに近い色調で静かにゆれうごく世界を、デュポワがたくみな絵筆ではしらせ、サラがことば少なに語ります。子どもとおとな、いっしょに読んで語りたい絵本。
路上のおじさんは、長い間、おじさんも郵便配達人だったのです。いろいろな手紙を配達していたんだよなぁ・・・・・・・・
と、思い出しても自分の名前が思い出せなくて、せっかく並んだ配給所では、名前を忘れてしまって名のらなかったので、何ももらえませんでした。無邪気な赤い服の女の子が、「おじさん、お菓子いらない?」と、近づいてきて、「おじさんの格好、おもしろーい!まるで、テディベアさんみたい!」と、言われたおじさんは、女の子の気持ちにふれて生きる望みを見出したみたいに思いました。配給所で、「テディベア、です!」と名乗り、食べ物を口にすることが出来ました。やはり、ひとりぼっちは、さみしいですが、私には、女の子のように接しないで見て見ぬふりをするだろうなあ・・・・・ (押し寿司さん 60代・じいじ・ばあば )
|