風にさらわれた白いリボン、「マシュリカ」。 乱暴に吹くことしかできない風、臆病者のウサギ、飛べなくなった鳥…… 彼らはマシュリカに背中を押されるようにして、自分の足で一歩を 踏み出していく。そして、マシュリカはまた誰かのもとへ。 次々と手渡されていく、小さな奇跡の物語。
本当に、本当に美しい絵本です。
挿絵の1枚1枚が絵画として成立していて、画集のようにも思えます。
マシュリカというのは主人公のリボンの名前ですが、奥付にも書かれているように、原書にはリボンに名前は無く、ただの「リボン」と表現されているようです。
日本へやってきて名前がついたことによって、よりその存在がはっきりと浮かび上がった気がします。
そもそも、リボンが主人公という時点でわくわくします。
マシュリカは旅をしながら、あまり幸せではない動物や植物たちを「魔法」で幸せにしていきます。
でも魔法と言っても本当は・・・?
絵本の中のマシュリカとウサギの会話の言葉を借りれば、
「これがきみの魔法なの?」
「そう。でもこれは、たんなるきっかけ」
マシュリカはただ単純にみんなを助けてあげるのではなく、みんなが自分の力で幸せを得る方法を見つけさせてあげます。
その魔法の言葉の数々を、実際に読んで確かめてください。
ちょっと文章が多いのと、ルビがない漢字もあるので、読み聞かせ用か、お子さんが自分で読むには小学校2年生以上が適当だと思います。 (PDさん 30代・ママ 男の子8歳)
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