「ぼくは つよくて おおきい ちびゴジラ」 かわいいみどり色のゴジラが胸をはっています。 だいたい、「つよくて」はいいけれど、「おおきい」「ちびゴジラ」って矛盾してませんか……? と大人は思っちゃうのですが、子どもにとっては全く矛盾がないのでしょう。 一緒に読んでいる2歳のわが息子も、じーっとちびゴジラを見つめて、もう心の中で仲良くなっているのを感じます。
ちびゴジラは火をふけます。「ゴーッ!」 でもね、ころぶと「ひっく ひっく」で「ボワッ!」とついでみたいに火が出ちゃう。 そして木にぶつかっては……「えーん えーん」で「ボーッ!」とまた火。 (え、つよいの……?) 実はなきむしのちびゴジラ。 だけど、本気で泣くと、みんなも驚く素敵なことができちゃう!?
このちびゴジラくん、たぶんどの家にもいる(かつて、いた)誰かさんにそっくりなんです。 あかちゃんとは言えない立派な子どもになってきて、いろんなものに出会っていく。 石ころも、道ばたに生えてる木も、自由に歩きはじめたばかりの子には全然予測がつかないからふつうにぶつかっちゃう。ころんで泣く。 つよいけど、なきむし。ちびだけど、もうおおきい! 子どもにとってちびゴジラは友だち同然です。 なぜって、自分とまるで一緒だからです。
作者のさかざきちはるさんはJR東日本の「Suicaのペンギン」をはじめ、キャラクターデザインや絵本、装画・挿絵、エッセイなど多方面で活躍中の作家さん。 ちびゴジラくんの親しみやすさあふれるキャラクターとシンプルな展開が、魅力的な絵本になっています。
さあ、ちびゴジラと仲良くなりそうな子がいたら(大人のあなたでももちろんいいですよ!)、ぜひこの本を読んであげてくださいね。 きっとあなたを元気づけてくれますよ。
(大和田佳世 絵本ナビライター)
ぼくは、つよくておおきい、ちびゴジラ。でも、ぼくにはひみつがある。ゴジラが子どもだったころのおはなし。
タイトルにひかれ、手に取りました。
ちっちゃいけれど、どこか誇らしげなちびゴジラ。
「ひをふけるんだ ゴーッ!」と自信満々かと思いきや、転んで泣いてしまったり、悲しいお話を読んで泣いてしまったり。でもその度に火をふいています。
表情も仕草もとてもかわいいちびゴジラを応援したくなります。
続編で「なかよしちびゴジラ」というのもあるようなので、読んでみたいです。 (クッチーナママさん 40代・ママ 女の子20歳、女の子17歳、男の子14歳)
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