言葉を空の星の数ほどおぼえ、見るものすべてを絵にかけたら! バルトロメは一生けんめいだった。そうすれば父もみとめてくれる、ひとり立ちして、生きていける。 それなのに、幼い王女の目にとまったバルトロメは、犬になった。犬の衣裳を着せられ、犬の声をまねして、芸をする毎日。 王女お付きの人間が七十人。べつに動物や小人たちがいて、バルトロメはその仲間だった。
改めて、偽善とかそういうのではなくて、ああ、障がいを持って生まれてくるのは、その生まれてきた子の罪でも何でもないのにと、読み進めれば進むほど、憤りに近い気持ちが募り、再認識させられました。そして、私の今までの行いや考えはどう?と自省させられました。
主人公のバルトロメには、生まれてから物語の終わりまで、数えきれないほどの悲惨なことが次々と起こるのですが、同じ家族の中でさえ色々な思いや考えがあり、多方面から書かれているところも、この本のよいところだと思います。容赦ない描写で、私たちに人権を考えさせてくれる本です。是非、中学生以上の人に読んでもらいたいです。お勧めです。 (汐見台3丁目さん 40代・ママ )
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