てろん、とタレ目のぽっちゃり体型、やさしいカラスのカーたろう。 そんなカーたろうが出会ったのは、おかっぱ頭がかわいい、こけしのこけしっぺ! ひとめでこけしっぺを気に入ったカーたろうは、さっそくおうちに連れて帰って、かいがいしくお世話をはじめます。
ごはんを食べさせ、お風呂にいれて—— たのしいふたりぐらしがはじまりました! ところが、そんなふたりをこっそりみつめる、あやしい影…… 朝起きると——こけしっぺが増えてる!? カラスのこけし育て奮闘記!
この絵本、作りがふつうの絵本とはちょっとちがいます。 マンガのようにコマ割りされたページ。 文字はなく、絵だけで進むストーリー。 それなのに、表情豊かなカーたろうと、わちゃわちゃ増えていくこけしっぺたちのようすがたのしげで、文字がないのを忘れてしまうくらいに、にぎやかな作品です!
みどころはなんといっても、カーたろうとこけしっぺたちの、ほほえましいやりとり。 さみしがりやで、ちょっぴりやきもちやきのこけしっぺたち。 ひとりだけがおんぶされているのだって許せないし、お風呂だってみんないっしょに入れてくれないとヤダ! カーたろうは、何人もいるこけしっぺたちをみんな平等にかわいがり、いっぺんにお世話しようと悪戦苦闘。 こけしっぺたちが「わたしも!」「ぼくも!」と視線でうったえるのを見ては、眉を垂らして困り顔。
それでも、こけしっぺたちがごはんを食べるのをニコニコながめ、いっしょにあそぶときはとってもたのしそうに笑うカーたろうの姿は、まさしく子育てまっただなかのママやパパ!
とくに、こけしっぺたちがみんなでひとつの布団で眠りたいとカーたろうにうったえるシーン。 こけしっぺたちに場所をゆずって、自分だけ座布団を並べたそのうえで眠り、こけしっぺたちに添い寝するカーたろうが、いじらしくってたまりません。
文字がないのでながめているだけでたのしめる作品ですが、自由にセリフをあてながら読むのもおもしろそう! 多くを語らないふしぎな共感が心地よい、ママパパにおすすめのかわいい一冊です。
(堀井拓馬 小説家)
楽しくひとり暮らしをしている、カラスのカーたろうがある日出会ったのは、なんともかわいい、こけしの「こけしっぺ」。それから楽しいふたり暮らしが始まりました。……と思ったら、もっとにぎやかな暮らしが待っていました。
【編集者コメント】 こけしっぺとの、ときどき疲れはて、だいたいは嬉しい新生活。カーたろうは子育て(特にワンオペ)中の大人と重なります。そこには著者の「こどもは、どのようでもそのまま受け入れられるべき」という哲学が流れています。カラス仲間の朗らかな参加は社会の救いの道のヒントであるようにも。入り口と出口以外は絵のみで進んでいく本作は、絵をよむのが上手な幼い子といっしょに、どこまでもふくよかで自由な楽しみ方が味わえます。
一人暮らしのカーたろう
おにぎりを ありにあげるところから 優しいカラスだと思いました
おなかすかせて 雲をみて おにぎりやドーナツに見える
そして 人が食べてる ドーナツも 横取りしない
そんなカーたろうが、おにぎりの絵柄の こけしを見て おにぎりを食べようとしたところから 話が始まります
家に連れて帰り 子どものように 愛して お風呂に入り 一緒に眠るところなんか 母親そのもの
こけしが つぎつぎと増えても 同じように愛して子育て
これ 母の鏡ですね
みんな平等に愛するところなんか まねしないとね!
こんな 優しいからすのお話 いいですね〜
作者の優しさが あふれているようです (にぎりすしさん 60代・その他の方 )
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