幼年童話からYA、一般文芸まで幅広く活躍する藤野恵美氏による、大人もこどもも楽しめる、少しビターで心温まる新作絵童話。(毎日新聞の「読んであげて」での連載を改稿)
ともだちがいないけれど ひとりでもへいきなハリネズミは、考えることが大好き。うさぎがバラの花をつけて自慢しても、きみにそんなものは似合わない、といつでも思ったとおりのことを言います。背中のはりだけでなく、言葉もちくちくしているのです。そんなハリネズミがある日、「たべられないし、やくにもたたない」どろだんごをつくっているもぐらと出会います。
小沢さかえ氏による油彩カラーとペン画の挿絵も豊富に掲載。
もくじ さんぽ/であい/しごと/はちみつ/よあけ
ハリネズミには、ともだちがいませんでした。 森もりをあるくときも、ひとりです。 けれど、まったく、きにしていません。 ひとりしずかにあるいていると、小こ 鳥とりのさえずりが、よ くきこえます。ひとりしずかにあるいていると、はっぱの ざわめきが、よくきこえます。だれにもじゃまされず、ひと りしずかにあるくことが、ハリネズミはすきでした。 森もりには、おそろしいどうぶつもいます。 でも、だいじょうぶ。 ハリネズミのせなかには、するどいハリがあります。 じぶんの身は、じぶんでまもれます。だから、ハリネズミはひとりでもへいきなのです。─本文より。
かわいらしい動物たちのイラストに惹かれ、手に取りました。
友だちのいないハリネズミ。
背中の針のように、発する言葉もチクチクしています。
そんなハリネズミが、モグラとの出会いによって、少しずつ変わっていくというお話。
モグラくんの前向きな考えや言葉にハッとします。
手仕事の良さも伝わるお話なので、大人も好きな人は多いと思います。 (クッチーナママさん 40代・ママ 女の子16歳、女の子14歳、男の子11歳)
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