見えてきた!日系サプライヤー進化の方向性
CASE(コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化)というメガトレンドが、世界の自動車メーカーを大きく変えようとしている。その波は、サプライヤー(部品メーカー)にも押し寄せている。
CASEの波は、これまでの「ケイレツ構造」を破壊する。完成車メーカーの開発のすそ野が広がり、ケイレツ構造を維持できなくなってきたからだ。既存のサプライヤー構造を見直し、水平転換モデルへの切り替えを推進する。ただしケイレツを維持する場合でも、その中でサプライヤーの集積化を推し進める。トヨタ自動車やホンダなどで、具体的な動きが出てきた。
このように、CASEは自動車メーカーだけでなく、サプライヤーにも深刻な影響をもたらす。CASE時代に向けて、日系サプライヤーは生き残れるのか。どのように勝ち残り戦略を描けばよいのか。
本書では、日系サプライヤーにとって影響の大きい「CASE」と「脱ケイレツ構造」の加速に焦点を当てて、具体的な勝ち残り戦略を提示している。
CASE時代になっても、すべてのクルマが電気自動車(EV)になるわけではない。ガソリンエンジンやディーゼルエンジンを搭載するクルマはゼロにはならない。本書では「地に足がついた」現実的な議論によって、自社の強みを生かした既存プレーヤーの戦い方を提示している。
一方、モビリティー産業への新規参入を目指す異業種プレーヤーは、戦い方を間違えるとCASEは脅威になりかねない。異業種プレーヤーがモビリティー産業に参入する際の戦い方についても詳しく分析している。
本書は4部構成で、サプライヤーの進化の在り方を論じている。
第1部では、CASEの動向やグローバルサプライチェーン構造の変化を踏まえて、サプライヤーへの影響と採るべき施策の方向性を考察した。
第2部では、採るべき施策の具体的な取り組みの在り方を、先行企業の事例も交えながら示した。
第3部では、自動車産業以外の事業者にとっての自動車業界の大変革を捉えた取り組み方向性を示しており、情報通信事業者や素材事業者、インフラ事業者、電機事業者、金融事業者を取り上げて考察した。
最後に第4部として、各産業のキーパーソンや行政との対話を通じて、サプライヤーの進化の方向性や具体的な取り組みの在り方を確認しつつ、各社の取り組み事例を紹介した。
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