
虹と空、それは「もの」なのか、それとも出来事なのか。馴染んだ現象でもなく、仮象でもないとすれば、その存在についてどのように語ればよいのか。神話の語り口から現代科学の知見まで、あらゆる領域を遊動しつつ、未知の思考の次元を拓こうとする。 認識論、知覚論、存在論……既存の枠組みを揺さぶる哲学、著者の師、大森荘蔵のオリジナルな方法に学びつつ、それを批判的に定位し直そうとする。それは常識をいったん破壊し、そしてさらにレヴェルを異にする「日常」のリアリティを回復する道でもあった。 存在への試行としての「科学の哲学」。
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