震災後の福島で前向きに生きる高校生の青春
「男のフラ? なぜ俺が」。高校2年生の辻本穣は澤田詩織からフラダンス愛好会にスカウトされる。「穣の体が目当て」と言い切る押しが強い詩織に辟易し逃げていたが、帰国子女のイケメン転入生・柚月宙彦の陽気さや、同じクラスの気になる女子・林マヤの存在もあって渋々入会することに。かくして男子4人を加えた個性派ぞろいのフラ愛好会は新たなステージへ。なんと、男女混合フラで「フラガールズ甲子園」での優勝を目指すことに! 東日本大震災から5年後の福島が舞台。メンバーたちはごく普通に高校生活を送っているように見えるが、皆それぞれの思いを内に抱えている。主な活動である慰問にも真剣に取り組み、夏休み直前には、隣町の仮設住宅で催されたフェスティバルに参加。そこで、「フラダンスを通して、みんなを元気にしたい」と張り切るメンバーに突きつけられた現実。そして……。 果たして「フラガールズ甲子園」への出場は叶うのか? フラ男子たちの活躍やいかに!? 震災後の福島に生きる高校生たちの、涙あり笑いありの青春物語。全国感想文コンクール課題図書、JBBY賞など、数多くの賞に選ばれたベストセラー小説、待望の文庫化!
【編集担当からのおすすめ情報】 本書のテーマの一つは「笑い」です。作中には随所に「笑い」が盛り込まれています。震災により心に傷を抱えていたり、時折閉塞感に押しつぶされそうになったりしてはいても、登場人物たちは青春真っ只中に生きる高校生たち。クスッと笑いながら、そして彼らが乗り越えていかなければいけない厳しい現実にも思いを馳せながら、読んでいただければと思います。単なる青春小説では終わらない奥深さが、大人の心にも刺さります。 巻末解説は南海キャンディーズのしずちゃんこと山崎静代さん!!
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