養老4(720)年5月21日に『日本書紀』が奏上されてから、今年で1300年になる。その『日本書紀』の一番の問題点は「年月日、特に紀年が正しく編纂されていないのではないか」ということである。 本書では『日本書紀』に記された誤った大歳干支を当時の暦法に基づく朔干支で再解釈し、正しい年代に修正。また、国内外の史料に記された地理情報を整理し、現在の地名をできるかぎり付記した。正しい情報で読み直すことで、朝鮮半島の一部を含む古代の海峡国家から、覇権を失い日本列島内に支配地域を縮小するまでの変遷が見えてくる―。 *巻末に月読暦に西暦と月を加えた一覧表のほか、古代史研究の助けとなる資料を多数収録
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