「高森草庵」で思索と労働の日々を送った押田成人神父の著作選集
ヒンドゥー教やイスラム教などの世界の伝統的宗教との出会い、インドや韓国で霊的生活を営む人々との交わりを描く。世界の宗教者が、信州・高森草庵に集って開かれた「九月会議」(1981年)における対話や、現代文明や技術主義に対する厳しい言葉を収める。
【目次】
刊行によせて(宮本久雄、石井智恵美)
四 神秘的地下流とのめぐりあい 南方より微風ありき パゴダの陽光 イエルザレム ガンジスの月 いくつかのめぐりあい スールー島の回教徒たち キム・ジ・ハと池司教 潮騒のまにまに
五 九月会議 招き 参加者 ガンジーなきあと(ナラヤン・デサイ) 人間性の根の養い(ヴィシュダナンダ・マハテロ) 歴史の意味(咸錫憲) 犠牲のうちに会議を支えている人々 地下水を求めて 会議の終わりに あほう!(マレー・ロジャース) あとがきにかえて 「ただ深みに向けて漕ぎゆく」 《エッセイ》 ウォレス・ブラックエルクさんが伝えようとしたこと(河本和朗)
六 現代文明と受難 霊的なもの、かけがえのないもの 祈りの姿に無の風が吹く 現代の受難 日本人への直訴 パパラギ暴力(―中近東での翻訳を禁ず―) 原発事故の背景 なみだの海に消えず立たなむ 「慰霊林の由来―動機と社会的構造」 《コラム》 高森の慰霊林(宮本久雄)
《寄稿エッセイ》 九月会議の息吹き(葛西實) 《寄稿エッセイ》 押田成人神父との出会い(細川俊夫)
解題 「九月会議」の霊機(宮本久雄)
彼のことばは、環境破壊、核問題、宗教対立といった現象の根にあるものを気づかせ、それらの根源的な解決へのヒントを与えてくれるとともに、キリスト教そしてその枠を超えた霊性の流れを伝えるだろう。(「刊行のことば」より)
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