小学生のひいたんは、とにかく外に行くのが大きらい。家の中で絵を描くのが大好きな女の子です。ある日、いつものようにひとりでお絵かきをしていると、ひいたんの目の前にようかいのぴょんさんが現れます。ぴょんさんは色々とゆかいな作戦を企て、いやがるひいたんを外へ連れ出そうとします。一日中、外で楽しく過ごしたひいたんは「ぴょんさんといっしょなら、お外もわるくないわね…」と思いました。ところが次の日、ひいたんはまたまた外に行くのがおっくうになってしまいます。すると今度は、ぴょんさんが一芝居を打ち、外に行くのをいやがるふりをします。その様子を見ていたひいたんは、いやがるぴょんさんの手を引き、「お外も楽しいよ!」と外に連れ出し……。笑顔で互いを思いやる女の子とようかいのあたたかな心の交流。ひきこもり相談外来で有名な三家クリニックの三家英彦医師による寄稿文を巻末に掲載。 近年、学校や家庭において「いじめ」や「ひきこもり」の問題が話題になっています。子どもたちは、嫌なことや怖いことがあれば、最初は必死になって抵抗します。しかし、どうしようもなくなったら、つらい現実や周りの人から自分を切り離し、心の中に閉じこもります。本書は、そんな困難な状況に置かれた子どもたちに、そっと優しく寄り添い、心を解きほぐす作品を目指しています。
作者は落語家の笑福亭鶴笑さん。
「外に出るのが怖い・苦手」なお子さんたちの心の内側を見せてくれる作品でした。
後書きに作者の笑福亭鶴笑さんと、精神科医の三家英彦産のお話が載っているので、この絵本を手にした読み手の大人の方々は、ぜひここまで読んでほしいです。
このうさぎのようなブタのようなぴょんたんのような存在が、外に出られないたくさんのお子さんたちの側にいてくれるといいなぁと、思いました。
クラス単位の読み聞かせなどにはあまり向かないと思いますが、
親や先生が身近な誰かのことを対象に伝えたい時などには、紹介するのにいい作品かもしれません。 (てんぐざるさん 50代・ママ 女の子20歳)
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