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美しいメルヘンタッチの作品。北欧の厳しい冬の中で、元気な少年ウッレが明るく生きる姿が描かれています。クリスマスの仕事で忙しいラップランドへと,ウッレが旅をします。刊行されて約100年たつ作品。
スウェーデンにある森は、昔の日本のように、人間の生活のすぐ横に、優しくそして厳しく鎮座していたようです。そのようすを親しみのある表情と、柔らかい色遣いで書き上げたベスコフの作品の一つ。スキーをしたくて雪を待つ子供の心が、雪解けとともに、春を待つ心へと変化していくところが、ちらりといいですね。今の日本ではこのように大自然の力を皮膚に感じることが難しくなったので、なかなか手に取りづらい本かもしれませんが、そんな現代でも人間は自然の一部であることは変わっていないと思います。おかあさん、先生方に、積極的に読んでもらいたいほんの一冊だと思います。 (とらのさん 40代・その他の方 )
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