
森羅万象のなかにカミを体験する!
アニミズムの根幹を自然と人間との直接的対応におきかえ、その発端の姿を描きだす。 岩田アニミズム論の到達点を示す名著。待望の文庫化!
巻末には、本書刊行当時に行なわれた著者と秋道智彌氏との対談「いま、なぜアニミズムなのか」を収載。
-------------------- さて、これから述べようとすることは今日のアニミズムである。それは私のアニミズムであるとともに、皆さま一人ひとりのアニムズムでなければならない。ホントのことをいうと、木のアニミズム、鳥のアニミズムというふうに、森羅万象がそれぞれの世界の主人公になって自分を語りだし、また、たがいにそれを聞くことのできる時が来るのを待っているのである。 そういう時がこの本のなかで自然に開かれていくことを願ってやまない。 いま、人類は未曾有の大変革期に直面している。そこでは民族と民族がぶつかりあい、宗教と宗教が対立し、人類と自然との共存が危ぶまれている。迫りくる危機を声高く警告する人もいるし、黙って、こころの奥深くに終末を予感している人もいる。 こういう危機的な時代のなかで、各方面からアニミズムにたいして期待がよせられているのだ。「この人類的な危機を救うためにはアニミズムを再検討しなければいけない」。そういった提言なのである。 (「はじめに」より) --------------------
著者について 1922年横浜に生まれる。青年期の疾風怒濤時代、アレクサンダー・フォン・フンボルトの『コスモス』と道元の『正法眼蔵』によってみずからの魂の輪郭を確かめる。1950年代後半〜1980年代、東南アジアと南アジアへ調査におもむき、大地とともに暮らす諸民族をはじめ、生きとし生けるものの源流をもとめる。その中で出会い、手に入れた種子から実生の宇宙樹を描きつづける。カミ信仰のもといをなす「アニミズム論」、子どもの遊びに天地との自由な呼応をみる「自他一元論」、生と死の波打ちぎわで此岸と彼岸を同時にみつめる「地と柄論」、文字によらないコスモスを映しだす「風景画(原風景)論」はその幹であり、枝である。つねに裸の人間を希求し、その根源を問いつづけた。2013年2月他界。
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