ぱっと目を引く鮮やかな色、味のある手描きの線に、見覚えがある方も多いのではないでしょうか。それもそのはず、『かいじゅうごっこ』の作者は、世界的に人気の高い「メイシーちゃん」シリーズのルーシー・カズンズさんです。
主人公のガブリエルは、かいじゅうごっこが大好きな3歳の男の子。かいじゅうごっこでは、家族や周りの人たち、猫や花までもが怪獣に大変身!(もちろん、想像の世界の見立て遊びですよ)。
例えば、お姉ちゃん。 とがった歯と緑色の体と毛むくじゃらの足になっちゃいました。食べちゃうぞと言いながらガブリエルを追いかけてきます。
「やだよ やだよ つかまるもんか!」
行く先々で出会う怪獣から、うれしそうに逃げるガブリエル。でも、とうとうママが変身した怪獣に捕まって、今度はガブリエルがちびっこ怪獣になっちゃいました。眠くなったちびっこ怪獣に、たくさんのキスをするママ怪獣。ちびっこ怪獣のガブリエルは、やっぱりうれしそう。
道具やおもちゃがなくても想像力があればできちゃうごっこ遊び。ルーシー・カズンズさんは、お孫さんとかいじゅうごっこをしたことを思い出し、このおはなしを書かれたそうです。怪獣になったつもりで迫力満点に読んで、親子で掛け合いをしながら読むのもおすすめです。
(近野明日花 絵本ナビライター)
ぼく、ガブリエル、3歳。うちにはかいじゅうがいるんだよ。おねえちゃんやおじちゃん、ねこやおばあちゃんにママまで、すごい顔の大きなかいじゅうになって、ぼくをおいかけてくるんだ。でも、ぼく、つかまるもんか! 最後は、ママに抱っこされたガブリエル自身がみどり色のかいじゅうになって――。
幼児が大好きな見立て遊びとくりかえしが楽しい絵本です。 子どもはちょっとドキドキしながらも安心して楽しめるので、コミュニケーションにぴったり。 作者は、世界的ベストセラー絵本〈メイシーちゃん〉シリーズでおなじみのルーシー・カズンズ。孫が小さいころ、家族でかいじゅうごっこをした体験から生まれた作品です。
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