今まで医学的な見方,考え方が中心であった統合失調症について,心理学の研究の方法論に基づき,心理検査等の臨床データの蓄積などを通して組み立てられた心理的な見方,考え方,さらには心理学で何ができるのかを公認心理師に提示。
〇シリーズ刊行の辞より ──これまで公認心理師が医学領域の中でどのような働きができるのかについて,自己アピールを心理学サイドから積極的には行ってきていない。 …(中略)…本シリーズは、 新たに公認心理師になり、 精神科領域で患者さんに出会うときに、 どのような見方、考え方が可能であるのか、 心理学で何ができるのかについて具体的なイメージを医領域に提示することを意図して企画された。 医領域以外の教育、 産業領域などにおいて精神障害者に接する機会のある多くの公認心理師のためにも役立つものと思われる
〇1巻序文より ──現場に出た公認心理師が実際に参照する手引書はどうなっているのであろうか。例えば、精神科医療現場に就職し、統合失調症患者に接する際に、参照できるようなものがあるのであろうか。 これまでに臨床心理士が特定の学派の理論や特定の技法を統合失調症に応用して論じる書物は存在している。それに対して本書は、公認心理師の実践的な立場で、統合失調症について、多様なアプローチを紹介するものとなっている。このことは公認心理師が、多視点で、統合失調症に対して対処しうることを示している。その内容は、基礎的なものから応用的なものまで幅広い。統合失調症に向き合うためには、こうした多様な視点とアプローチからの総合が求められてこよう。
〇シリーズ続刊予定(全3巻) 第2巻 心理学からみたうつ病(坂本真士編) 第3巻 心理学からみたアディクション(津川律子・信田さよ子編)
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