不登校、引きこもり、摂食障害、等々⋯。子育てをめぐる様々な悩みや苦しみはなぜ生じるのか。その仕組みを心理学の概念で解き明かし、多数の事例を紹介しながら子どもとのコミュニケーションの望ましいあり方について具体的な方法を提案する。脳科学者/医師/臨床心理士/四児の父親/少年サッカーの指導者である著者による書き下ろし。
*本書は、2011年9月に大隅書店から発行され、ご好評につき7年間で10刷まで増刷してまいりました。大隅書店は、2017年6月にさいはて社と版元名をあらため、11刷にあたって、本文および装幀等に変更を加えず、あらたなISBNを付与し、さいはて社版とすることにしました。かわりないご愛顧を賜わりたく、よろしくお願いいたします。
【目次】 はじめに この本の目的と構成
I 診察や面接で気がついたこと 1 親にできるのは自分が変わること 2 目に見えるものに偏りすぎていないか 3 勉強よりも大切なこと 4 先んずれば人を制す? 5 不登校は勇気ある行動である 6 子どもを信じて愛情を与える 7 まず好きになる 8 きちんとすることよりも好きになることを 9 子どもは導かないと成長しないのか?
II 親子の関係 10 親と子の別れ 11 子どもと親の距離 ― 近すぎる親、遠すぎる親 12 近すぎる親の問題 ― 子どもの出会う現実を加工する 13 遠すぎる親の問題 ― 子どもの気持ちに無関心 14 現実を受け容れるということ 15 叱りすぎることの危険性 16 母親は子どもに去られるためにそこにいなければならない 17 空腹の自由、食欲の自由、排泄の自由 18 頼りないので手放さない 19 食べ物は毒? 20 優等生はなぜいじめられやすいのか 21 自分を守る心の仕組み ― 防衛機制について 22 自分の世界にこもることで自分を守る ― 引きこもりの防衛 23 不快をもたらす現実を受け容れない ― 否認の防衛 24 育児の不安、親の不安 ― 置き換えの防衛 25 自分の思いを相手に映し出す ― 投影による防衛 26 子は親の鏡 ― だから親の過去を映すこともある 27 できたと思って喜ぶとすぐ逆戻り ― 打ち消しの防衛 28 なんでも思い通りになるという感覚 ― 万能感による防衛 29 責められるより責める方が楽 ― 攻撃者への同一化 30 親が子どもを守るということ
III 子どもとのコミュニケーション 31 先に進まない 32 小言を控える 33 指示しない 34 子どもに起きてくる変化 35 押しつけないことで伸びるものがある 36 子どもが失敗した時は愛情を与えるチャンス 37 おしゃれや化粧は自分を守る 38 衝動を制御する力はどう育つのか 39 家ではくつろがせてやる 40 子どものペースで 41 子どもは「嬉しい」や「悲しい」をどう学ぶのか 42 子どもをやる気にさせる 43 自分の意見を言える子どもはどうやれば育つのか 44 見守る 45 アイスクリーム療法
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