『あおのじかん』『はくぶつかんのよる』などで日本でも知られるようになったフランスの絵本作家、イザベル・シムレール。 繊細でダイナミックに生物をとらえた絵は、多くの読者を虜にしました。 本書は、そんなイザベル・シムレールファンは必見のスケッチ集。
鳥の一本一本の毛並み、動物の尻尾や爬虫類のうろこ。 昆虫の足のうぶ毛や、翅や触覚。 植物の葉、花びらなど……。 制作途中と思われる筆致から、生物の細部へのシムレールのまなざしが、生き生きと立ち上がります。
フランス語の名前のABC順に並べられた動物や植物。 それぞれの特徴を訳したのは、石津ちひろさん。 正確に、軽やかに、言葉のリズムが絵とからみあい、飽かず眺めつづけていられます。 伝わってくるのは、偉大な自然の神秘です。
まさにタイトルどおり「自然の贈り物」が詰まった一冊。 スケッチの合間に時々現れる、見開き一枚の着彩された絵の美しさにはため息しか出ません。 濃紺や、夕陽のオレンジ色といった、シムレールらしい色合いを味わってくださいね。 文字を読むなら小学校高学年から大人まで。 絵を楽しむなら年齢を問わず、幅広い世代への贈り物として最適。
横長のほどよい大きさも魅力的で、物語の生まれる瞬間を想起させてくれる貴重な作品集として、本棚に収めておきたくなる本です。
(大和田佳世 絵本ナビライター)
イザベル・シムレールのスケッチ集。アリ、カマキリ、タコ、カバ、オカピ、ケツァール、バオバブ……心ひかれる昆虫や動物や植物を好奇心たっぷりに描きます。「観察と夢想のあいだをさまよいながら作る」という絵本創作の舞台裏へ誘ってくれる、楽しい一冊。自然からの崇高なおくりものを、作家と一緒に味わいましょう。
横長のかたちが、一見個性的な絵本に思えます。
作者が外国の方なので異国絵本という印象も感じますが、自然は全世界共通なので、共感できることもたくさんです。
自然ってやっぱり大切で、うまく共存していくべきものだと、つくづく感じますね。 (まゆみんみんさん 40代・ママ 女の子12歳)
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