ウンチ化石がもたらす壮大なサイエンスロマン 「生痕化石(せいこんかせき)」と呼ばれる、太古の生物の足跡、這い痕、巣穴、糞(ウンチ)などの化石。 恐竜ティラノサウルスの骨格に比べればひどく地味だが、その研究からは生物の歴史、地球の歴史、そして宇宙の未来までが見えてくる。 じつはウンと深く、蘊蓄(ウンチく)と含蓄に富む知(チ)的なストーリーを秘めているのだ。ティラノサウルスや首長竜のウンチ化石だってチ的に解釈するぞ。 さらに生痕化石はわれわれが毎日通る道沿いの地層に隠れている可能性もある。 著者は、生痕化石の研究によって壮大な「サイエンスのチ的地平」を切り開く若き古生物学者。地層をブラブラする科学的な楽しみもあわせてガイドする。
読めば開くサイエンスの扉 ●生痕化石とはいったい何なのか? ●ウンチ化石から何がわかるのか? ●ティラノサウルスと首長竜のウンチを見てみれば ●動物のカラダとウンチの大きさの「公式」は? ●生痕化石を見つけるための「地層ブラブラ」ポイント
目次から 第一章 生痕化石とは何か? なぜ、今ウンチ化石なのか 第二章 ウンチ化石からわかること どんな種類のウンチ化石が見つかっているのか?/ ゴカイのウンチの中で新たな鉱物ができる? 第三章 ティラノサウルスと首長竜のウンチに挑む ウンチもデカくて派手なティラノサウルス 第四章 ウンチ化石研究者が目指しているもの 生痕化石のフラクタル次元/ウンチ化石研究の今後 第五章 生痕化石が地球の未来を語る? ウンチ化石研究者による大胆過ぎる未来予想図 第六章 地層ブラブラ:身近な楽しみとしての生痕学 自分のウンチを生痕化石として残すには/妄想ウンチ学 各章末のコラム 日本最古の脊椎動物のウンチ化石/千葉セクションで見られるウンチ化石/ 恐竜と首長竜は違う/ウンチ調査の現場から/地層とは?/地質年代とは?
【著者略歴】 泉賢太郎(いずみ けんたろう) 古生物学者。千葉大学教育学部准教授。博士(理学)。1987年、東京都生まれ。2015年、東京大学大学院理学系研究科地球惑星科学専攻博士課程修了。 専門は生痕化石に記録された古生態の研究など。別名「ウンチ化石ハカセ」。著書に『生痕化石からわかる古生物のリアルな生きざま』(ペレ出版)。
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