「オレ、じてんしゃ! はしるのだーいすき!!」
そう言って張り切っているのは、自転車と自転車の部品たち。チェーンにタイヤ、あっちはギアとこっちはペダル。みんなで力を合わせて走り出します。
「ぐぐっ、ぐいっ! ぐる〜ん。いいね、いいねー」
タイヤも順調に回りだし、どんどんこいでいきます。トンネルでは、眠っていたライトが目を覚まし、坂道ではギアとチェーンの気合いが入ります。その時、ぷしゅ〜と音がして……大変、タイヤがパンクした!?
自転車に乗る男の子が主人公なのかと思いきや、スポットが当たるのは、なんと自転車と、その部品たち。彼らがそれぞれ自分の役割を果たしながら「いくぜ」「おりゃ〜」「うんしょ、うんしょ」「きゃっほー」と嬉しそうにつぶやくのです。通りすがりのお兄さんに丁寧に修理もしてもらって。こんなに愛情をかけてもらったら、自転車も走るのがきっと楽しくなりますよね。
よく晴れた日の空の下、川の堤防でのサイクリングは本当に気持ちよさそう。作者・石井聖岳さんの自転車への愛着と、その魅力がたっぷりと伝わってくるこの絵本。読み終われば、自分の自転車もすぐに引っぱり出してきたくなるはずですよ。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
「オレ、じてんしゃ! ギアやタイヤ、チェーンやペダル、みんなでちからをあわせてはしるぜー!」 自転車の部品たちが力を合わせて走っていく物語。ペダルがギアをまわし、その動きをチェーンがタイヤにつたえ、自転車は走り出します。トンネルでは寝ていたライトが活躍し、きつい坂やパンクも乗り越え、自転車は気持ちよーく走っていくのです。 自転車の部品たちが頑張っている姿をみていると、部品にも愛着が湧いてきます。 自転車大好きな石井聖岳さんが、自転車の魅力を伝える絵本。
自転車の部品たちが主人公というちょっと変わった斬新なお話でした。
けれども、「自分が自転車に乗っているとき、自転車の部品はこんなふうに動いているんだ、頑張ってくれているんだ」とありがたく、そして、何だかうれしくなるお話でした。
子どもと一緒に楽しく読ませていただきました。 (さくらっこママさん 30代・ママ 女の子7歳、男の子4歳)
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