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「わたしは十円玉」。パン屋さんから若い夫婦の家、喫茶店、銭湯、焼き芋屋さん……。十円玉が手から手へ渡りながら、人間の生活のささやかな幸せのひとときをのぞいていく絵本。暮らしのたのしみを題材にした文章でも知られている画家・牧野伊三夫が、昭和39年製造の十円硬貨の視点で、日本人のなんでもない日常をあたたかく描く。いろんな人の手に渡っていく硬貨の宿命と、時代の移り変わりに想像力を刺激される。
お金は人の手を渡って巡り巡って自分のところに来ているという当たり前のことを、あらためて気づかせてくれる絵本でした。表紙のイラストから戦争のお話しなのかと思ったら、風情ある昭和のお話しでした。表紙で躊躇してしまう子もぜひ中身を開いて読んでみてほしいなと思いました。 (ouchijikanさん 40代・ママ 女の子8歳)
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