
植物が生きるために身につけた驚きの能力
強い日差しや大雨から逃げることもできずにすぐ枯れたり、動物に食べられたりしてしまう生物…そんなイメージで我々は植物を見がちですが、本当は、生きるための巧妙な仕組みを持ち、強靱な生命力を持つ生物なのです。
著者は植物研究の第一人者であり、NHKラジオ「子ども科学電話相談」の回答者として10年以上のキャリアを持つ田中修農学博士。著書は20冊を超えますが、意外にも本書が初めて子ども向けに書いた本となります。ラジオの経験を生かし、子どもたちが興味を持ちそうな90の疑問をセレクトして解説しました。
「なぜ花はきれいな色をしているの?」「花が良い香りがするのはなぜ?」「おいしい果実を実らせるのはどうして?」
「虫や動物を集めるため」という答えも正解ですが、じつは、それ以上に深い意味があったのです。
花の色は、紫外線から子ども(タネ)を守る効果があり、良い香りは夜の闇でも虫が集まってきやすくするために放ちます。果実を作ってもタネが成熟するまで毒を持って食べさせなかったりと、植物にはそんな能力があるのです。
へえ、そうなんだと大人も思わず感心する、植物のナゾを紹介します。
【編集担当からのおすすめ情報】 学校の授業のような堅苦しいテーマにならないように、かなり設問を工夫しましたが、どうしても学習的要素を避けることはできませんでした。
たとえば光合成。 これを説明しないで植物について語ることは不可能です。
ですが、「植物は光合成という能力を持っている人間とは違う生命体だ」と教わるのと、「水を飲んでひなたぼっこをしていると自然にお腹がいっぱいになって、からだも大きくなるうらやましい生命体だ」と教わるのとでは印象が全く違います。
著者の田中教授との打合せのなかで、そういう見方をすると植物の本当の姿が見えてくるような気がしました。
教授に「動物の方が高度な進化をしたんですよね?」と問いかけたことがあります。
すると、「そういう考えもできますが、なんで動物が動くか考えたことありますか?」(文字では伝わりませんが、教授はやわらかい関西弁でお話されるので、聞いているだけでほっこりします)と逆に質問されました。
「植物は動けないのではなく、動かないでもすむように進化したんです」と言われ、目から鱗が落ちました。
なるほど、動物である恐竜は絶滅しても、そのころにいたと思われる子孫の植物はまだ健在です。絶滅することはありませんでした。環境の変化に動かずにじっと耐える能力があったのです。
生き残る(子孫を残す)ために、生物は3つのことをしなければなりません。「ものを食べる」「危険から身を守る」「子どもをつくる」です。
「ものを食べる」=「動かないでも光合成でお腹がいっぱいになる」 「危険から身を守る」=「タネになって危険な状態を回避する(たとえ何年でも)。動物に食べられても大丈夫な部分をわざとつくっておく」 「子どもをつくる」=「虫や動物を利用して代わりに運んでもらう」
良くできた仕組みです。
畑や花壇で草花を育てているので、我々が植物を支配しているように感じますが、本当は植物の思い通りに動かされているのではないかと思ってしまいます。 全ては植物の作戦ではないかと。
「ないしょの超能力」というタイトルは、「植物が動物をうまく操っていることを動物に悟られたくない、ないしょにしておきたい超能力」という意味でつけました。
編集作業をしながら、こんなことまで用意周到に準備していたのかと、植物の持つ超能力に改めて舌を巻きました。
小学生にもわかるように補足を入れつつ紹介してますが、大人でも充分楽しめる内容となっております。 ぜひ親子で読んでもらいたい1冊です。

「小学生のミカタ」シリーズは、カラフルなマンガで楽しく読めるのが気に入って、いろいろ読んでいます。
こちらは、植物、花、果実、野菜、雑草と木の5章に分けて、植物の性質をわかりやすく解説してくれる本です。
素朴な疑問について、田中修農学博士がきちんと解説してくれるので、大人もとてもためになりました。博士がそばにいてくれたら、日々楽しいだろうなぁ。
この本を通じていろいろ知ったことを、思わず人に話したくなります。 (クッチーナママさん 40代・ママ 女の子18歳、女の子15歳、男の子13歳)
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