縦にページを開くと、画面いっぱいの夜空に大きな月が浮かんでいます。 「もしも、ぼくがあのおおきなおおきなチーズをてにいれたなら……」 ちいさな白いねずみが、月を見上げながら考えます。友達を呼んでチーズ・パーティ?チーズ・レストランのシェフになる?想像はどんどんと膨らみます。白いねずみが夢を語るたび、少しずつかけていく大きなお月さま。どんどん仲間も増えて、みんながチーズを食べ尽くしてしまったら……。
大藤めぐみさんと鈴木雄大さんご夫婦によるクリエーターユニットmiyauniさんの作品。お二人は「ねずみくんとおおきなチーズ」でボローニャ国際絵本原画展入選後、国内外で絵本を出版。またセラミック作品制作やワークショップなど幅広く活動されています。
英語と日本語の表記が並んで、大人っぽい印象の本作。ちぎり絵で表現した素朴なイラストはとても愛らしくてキュートです。ちいさなねずみたちの表情も豊かで、見ていて飽きません。よく見てみると、チーズで縄跳びしたり綱引きしたりと、クスッと笑えるかわいらしい場面に遭遇できますよ。 「おおきなおおきなチーズごちそうさま!ぼくもみんなもだいまんぞく!」 ぜひ手にとってハッピーな気持ちになってください。
(出合聡美 絵本ナビライター)
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