高いところが大の苦手。注射が大嫌い。みんなの前で話そうとすると、逃げ出したくなる。暗いところが怖い。彼らはかいじゅうなのに、それぞれ怖いものがある。彼らなりにピンチを乗り切ってきた。でもそれって……。
「ただ逃げちゃっただけじゃない?」
彼らは考える。どうして僕たちは、他のみんなが怖がらないことが怖いのだろう。共通しているのは、怖くなると、ゾワゾワしたやつが来るってこと。そうやって、怖がると生まれてくるのが、この小さなゾワゾワちゃんたちなのだ。この子たちさえいなければ!
自身も怖がりだという絵本作家・新井洋行さんと、ドクターがタッグを組んで生まれたこの絵本。不安や恐怖に揺れる気持ち、そしてその気持ちとどう向き合っていけばいいのか、共存していく方法はあるのか。そうした模索や考え方を、一つ一つ丁寧にわかりやすく、ユーモアたっぷりに描き出してくれています。
「ゾワゾワちゃんと仲良くする方法を教えてあげる」
本当にそんな方法があるならば、大人だって知りたい。だからこそ、大人にも子どもにも、この絵本の内容とじっくり向き合ってもらいたいのです。世の中には、こんなにたくさんの種類の「怖い」があって、こんなに色々な「怖がりさん」がいるのです。弱い自分を無理に追い出すのではなく、そのままの自分を大事にしてくださいね。絵本が優しく語りかけてくれます。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
こわがりやさんへの、ユーモアあふれる処方箋
絵本作家とドクターでつくる、 これからを生きる子どもたちのための絵本。 注射、くらやみ、仲間はずれ。みんなの前で話すこと。 この世は、こわいことだらけ。不安や恐怖と共存する方法を、 こわがりかいじゅうたちと一緒に考えます。 ドキドキ、ざわざわを味方につける、とっておきの方法とは?
かいじゅうだから、子どもたちを怖がらせるのが当たりまえ。
かいじゅうたちのピンチって?いったいどんな必殺技が繰り出すの?
なんて、読み聞かせている子どもたちの、そんな期待と不安をあおるだけ煽って、いざページをめくると・・・ただただ身体をカチカチにして回避してるかいじゅうの姿…さて、つぎのかいじゅうのお話
これ、どこまで続くんだ?と思ってるうちに怖がりのかいじゅう達はみんなで顔を寄せ合って相談します。
「怖い」って「不安」ってなんなんだ?
もしかして・・・その正体を突き止めたぞ!!
大人でも子供でも不安や恐怖はあります。
その得体の知れなさに、呼び名をつけてその子の話を聞いてあげる。その気持ちの存在を認めてみる。なんなら仲良くなる。
かいじゅうたちを通して大人の生活にもつながる1つの方法が描かれていました。新井洋行さんのいつもの愛らしさにシルバーで描かれた非現実的なのに親近感の湧くかいじゅうたち。
自分のために買ったつもりが5歳児にも何か引っかかってくれたようで嬉しいです。 (朝枝ナオさん 30代・ママ 男の子5歳、男の子2歳)
|