ジョンが騎士に叙されてから20年の歳月が流れた。キャメロット城にのこる騎士のなかで、ジョン卿はいまや、ケイ卿につぐ古参になっていた。円卓の騎士のなかには、世を去ったものもいれば、修業に出たまま戻ってこないものもいた。ランスロット卿は、アーサー王の妃とのあいだに、複雑な恋心をかかえたまま遍歴をつづけたまま、いまは故郷のガリアに戻っていた。そのランスロットが、とつぜんキャメロット城に帰還することになった。ある日、ジョン卿の前に姿をみせた大魔法師マーリンは「これから起るわざわいから、陛下をお守りすることはできない」と言い残し、城を去っていった。その言葉どおり、アーサー王とランスロット卿のあいだに、とり返しのつかない亀裂が生じる。これは、アーサー王にかけられた呪い力なのか・・・? ジョン卿の視点で語る、アーサー王と円卓の騎士の悲劇の結末。シリーズ最終巻。
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