野原の好きな「のはらおばさん」が、子どもたちを連れて野原を歩くお楽しみ会「のはらクラブ」。今回は白い野原、つまり雪の野原を散歩する、冬にぴったりなおはなしです。
おばさんとのんちゃんは、のはらクラブの他のメンバーたちを誘わずに2人で出かけました。雪の上を歩く昔ながらの道具「かんじき」が2つしかなかったのです。最初に出会ったのは、不思議な足跡。おばさんは早速、名推理でキツネとタヌキの足跡だと解説! こんな風に「これはなんだろう?」「あれはなにかな?」なんて、自然観察をしながらのお散歩が続きます。雪のかまくらでのこたつ体験や俳句作り、牛舎のサイロの仕組みなど、大人も知らないエピソードがいっぱいで、ワクワクしながら読み進めていくと……。
不思議なことに、おばさんとのんちゃんは、雪の野原で次々とのはらクラブのメンバーたちと出会うのです。 そうしてみんなで一緒にワイワイおしゃべりしながら歩いて行くのですが、なんだかみんなの様子がちょっと変。 かんじきも履かず、軽装で寒さもへっちゃら。そして、「おやつ」という言葉が出た途端に……!?
ラストでびっくりしたら、もう一度読み返してみてください。あちこちに、ヒントが隠されていたことに気づきますよ。
『まあちゃんのまほう』など、軽妙なファンタジー世界が魅力のたかどのほうこさん。今作でも、知らない間に、たかどのほうこワールドに迷い込みます。読み物ですが、絵もたっぷり。絵が多彩な解説となって、物語をわかりやすくナビゲートしてくれます。
(中村康子 子どもの本コーディネーター)
人気シリーズの冬のお話。雪のつもったある日、のはらクラブのおばさんとのんちゃんは、かんじきをはいて自然観察をはじめます。すると動物のあしあとを発見しました。たどっていくと、クラブのメンバーのこんちゃんと出会います。
編集者コメント 2000年から2004年にかけて刊行された自然観察を楽しむ絵童話「のはらクラブシリーズ」の新装版。一部加筆し、著者あとがきを入れ、表紙を変えてリニューアル。四季のお話それぞれに4冊。12月刊行の冬のお話は雪の日の観察会と動物たちの冬の生態がファンタジックにゆかいに描かれます。
過去の作品の新装版だと気づかず、手に取りました。
改定したシーンがどこなのかもあとがきにありましたが、こちらのほうがなるほど、初めて手に取るものにとっては親切に感じます。
真っ白い雪景色の森。
何もないようでいて、冬の学びと魅力がたくさん詰まっている作品です。まるで、理科の教科書です。
「かんじき」を履いていないお友達が、上手に雪原を歩く姿が不思議でしたが、素敵なオチに納得。
そういうことかー。
本文は大した文章量ではないのですが、吹き出しのセリフが多くてそれを全部読むのは子供には大変そう。 (だっこらっこさん 40代・ママ 女の子7歳)
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