イギリス国民に愛され続けるエリザベス女王。25歳でイギリスの女王となり、今年2022年で96歳、在位70年を迎えます。記念式典「プラチナ・ジュビリー」で盛り上がるこの年に、その人生を、服を通して時代とともにたどっていく、素敵な絵本が日本でも発売になりました。
生まれた時には、国じゅうから集められた最高の技と材料で作られたベビードレス、仲良しの妹とおそろいの洋服を着て過ごす少女時代、さらに王位を継ぐことが決まった11歳の頃にはガールスカウトの服を着て、第二次世界大戦下では女子国防軍に入隊、整備士の恰好をします。
結婚・出産を経て1952年、その時が来ます。国王になったことをお披露目する戴冠式が行われたのです。その時のドレスは、多くの人の記憶に残っていることでしょう。その後、公務のために世界中を訪れ、あらゆる人に会い続けてきたエリザベス女王にとって、身に着けるドレスや洋服には沢山の意味合いが込められていました。カラフルな色1色で全身をコーディネートするのは、人混みの中にいても見つけやすいようにと考えてのこと。時代の流行も取り入れてきました。
ドレスや洋服のデザイン、英国王室の由緒ある品々がしっかりと描かれている沢山のイラストは、眺めているだけで憧れの気持ちが生まれてきます。そして、普段の生活や戦時下の暮らしなどが伝わってくる数々のエピソード。エリザベス女王が国民にいかに親しまれている存在なのか、よく理解できる内容になっています。
イギリスの歴史と、女王として生きるひとりの女性の姿をもうかがい知ることのできるこの絵本。大人でも欲しくなる贅沢な1冊になっています。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
2022年9月に逝去した、英国女王エリザベス2世の人生を、女王のドレスや王冠などのワードローブとともにたどります。 女王の誕生の時の由緒あるベビードレスにはじまり、王室に代々伝わる宝冠や伝統的なドレス、女王としてのよそおいや帽子コレクションなどをイラストで紹介しているほか、子供の頃や戦時中の暮らしなど、ワードローブを通して見える女王の足跡を、イギリスの歴史とともにわかりやすくつづった伝記絵本。 戦時中に軍に入隊して活動したり、国民とともに配給の生活を送ったエピソードや、国民に向けたメッセージの変遷など、伝統を受け継ぎつつ、新しいことを取りいれ、常に国民に向き合い続けた女王の姿が描かれています。
2022年2月発行『女王さまのワードローブ イギリス国民に愛されつづける女王エリザベスの物語』に、女王の逝去や国葬などのエピソードを加え、表紙の色も一新した新装改訂版。
ちょうどエリザベス女王の訃報を知った時に見つけたので、運命を感じてに取りました。
大きなサイズでキラキラした美しいイラストが印象的な表紙。絵本の中ではエリザベスのドレスや洋服を通して、女王の人生を追います。
キュートで偉大な女王さま。様々なエピソードを読むと、国民に愛される理由がはっきりとわかりました。
大人も感動する、内容の濃い一冊だと思います。イラストもとてもおしゃれで素敵です。 (クッチーナママさん 40代・ママ 女の子18歳、女の子15歳、男の子12歳)
|