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宇宙船でドライブ中のポヨンとモクモク。友だちのニョリーの誕生会に行くところだったけど、途中でエンジンが動かなくなっちゃった。地球に不時着し、ポヨンは「しんぱいしないで、モクモク。わたしが修理するよ」って言うけど、宇宙船のドアが開かないぞ。どうして?
〈どうやら、ドアを開ける「手」が必要のようです〉
そりゃあそうだ! でもポヨンとモクモクには「手」がないみたい。読者がページをめくってドアを開けてあげると、ポヨンは「わあ、手があっていいな!」と自分でも「手」を生やしてみます。でもふにゃふにゃじゃ何もできない……。どうしてまっすぐに伸ばせるの? 物を持ち上げられるの? 何を触っているのかわかるの?
本書はストーリーを楽しみながら自然に「手」の仕組みを学べる、科学のインタラクティブ絵本。〈ここを押して〉〈本を頭の上まで持ち上げてください〉など、文字通り読者が「手」を貸してあげることで、本のストーリーに参加しながら、「手」の骨、筋肉、神経の働きを学ぶことができます。
オーストラリア生まれのこの絵本はカラフルでおしゃれ、おまけにわかりやすくて驚きがいっぱい! 幼い子もこんなふうに科学絵本に参加できるなんて……目からウロコです。ちなみに作者はイダン・ベン=バラクとジュリアン・フロスト。他に2人の作品で邦訳されているものに『このほんをなめちゃダメ!』(あすなろ書房)があります。子どものための細菌入門書で同じくインタラクティブ絵本。ぜひ合わせて手にとってみてくださいね。
(大和田佳世 絵本ナビライター)
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遊びながら「手のしくみ」がわかるゆかいな科学絵本!
宇宙船でドライブしていたポヨンとモクモクは、エンジントラブルで地球に不時着する羽目に。どうやら宇宙船のドアをあけるには「手」が必要のようで…。まっすぐ伸ばしたり、力を入れたり、何をさわっているかわかるのは、「手」に骨や筋肉や神経があるから。さあ、困っているポヨンとモクモクに「手」を貸してあげましょう。
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