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草原の村・シャオヤン、山の村・シャングー、森の村・センリン、海の村・ナンダーハ。4つの村からなる国「ピージョ」には、それぞれの土地の食材や料理を持ち寄って開かれるお祭り「ごちそう祭り」があるんですって。
春と秋の満月の夜。土地のめぐみに感謝して、「カンパーイ!」と盃をあげるのは大人だけじゃありません。大人たちのジョッキには「ピージョ」、子どもたちのジョッキには、甘みのある「サンピージョ」が注がれているのです。どちらも、ごちそう祭りのときだけの特別な飲み物です。
そして料理コンクールで審査員をつとめるのは、なんと子どもたち! 4つの村をまわり、料理を食べ歩きます。消化を助ける「ピージョ」や「サンピージョ」は魔法の飲み物で、いくら食べても大丈夫(途中でトイレに行けばね!)。というわけで、子どもにとっては何やら夢のような夜のお祭りです。
作者の川端誠さんは落語絵本などで有名ですが、ダイナミックな立体造形作品(撮影)で海と鳥の世界をつくった絵本『鳥の島』(BL出版)で絵本にっぽん賞を受賞したほか、『うえきばちです』『槍ヶ岳山頂』「野菜忍列伝」シリーズ(共に、BL出版)など多彩な作品を発表しづつけています。
本書の隅々まで描かれたたくさんの料理にどうぞご注目! 串焼きやソーセジなども目を奪われる種類の多さ。表紙に描かれている6人の子どもたちがどこでどんなふうに過ごしているのか、絵の中をじっくり楽しめます。人々の服装や壁の絵、建物などにもきっと川端誠さんならではの、4つの村の文化や風俗の世界観が描き込められているに違いありません。何度もめくって楽しめる一冊です。
(大和田佳世 絵本ナビライター)
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今夜は、まちにまったピージョの国の「ごちそう祭り」。春と秋の満月の夜にひらかれるお祭りです。 ピージョの国には4つのおおきな村があります。東のシャオヤン、北のシャングー、西のセンリン、南のナンダーハです。 お祭りでは、それぞれの村でとれる食材をつかって、料理人たちが大ごちそうをこしらえます。そして、どの村のどの料理がおいしいのか、子どもたちが投票して、その年のいちばんを決めるのです。
ごちそう祭りのもうひとつのおたのしみは、この日しかあじわえない特別な飲み物「ピージョ」。子どもたちは、甘みのある「サンピージョ」を飲みます。 ジョッキが全員にいきわたったら、準備は万端。村長さんのかけ声に合わせて、大人も子どもも、みんないっしょに「カンパーイ!」。
いろとりどりのごちそうは、どれも絶品。みんな、どの料理に投票しようか迷ってしまいます。 おまけに、ピージョとサンピージョは、消化を助けてくれるので、食べても食べてもお腹がいっぱいにならず、好きなものをいくらだって食べられるんですよ。
さあ、表紙の6人の子どもたちといっしょに、にぎやかな夜のお祭りをめぐりましょう!
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図書館の新着コーナーで見つけました。
草原のシャオヤンで行われるごちそう祭り。いろんな村の自慢の料理を食べ歩けるようになっています。
ジョッキを持って乾杯!だなんて、なんとも羨ましくなりました。
川端誠さんのイラストはとってもユーモラスで、眺めていてとても楽しいです。細かく描きこまれた様々な料理たちを、隅々まで堪能しました。 (クッチーナママさん 40代・ママ 女の子18歳、女の子16歳、男の子13歳)
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