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明治政府は、外国人にたよるだけでなく、土木の技術者を育成するため優秀な青年を選んで欧米に留学させ、次の指導者になるように努めました。
土木の歴史絵本・第4巻
江戸時代末期に、脱藩・密航して外国の進んだ技術・文化を、命がけで学んできた井上勝をはじめに、明治時代に日本の鉱山・鉄道・治水などの難しい工事をやり遂げた偉大な先人を紹介する絵本。
2004年刊行。
紹介されている人物:
井上勝(鉄道)、古市公威(土木建築、工学教育他)、沖野忠雄(治水工事)、田辺朔郎(治水、水力発電)、広井勇(教育、港湾)
トンネル工事や、港の建設、川の整備や鉄道づくりなどを、基本的な知識がなくても、事業の様子や、大変さ、関わる人がどのような気持ちでとりくんだか、などが、よくわかるように描かれている。
最後のページには、空海などのお坊さんたちや、戦国武将、明治時代のお雇い外国人や日本人技術者たちが一堂に会した絵がある。
先人たちの偉大な取り組みが、今の私たちに繋がっていることがわかり、感動的。
しっかりとした年表や、難しい箇所には注釈もついている。作者が丹念に下調べをして、間違いがないように、理解しやすいように配慮した様子がありがたい。
本シリーズでは、明治時代に活躍した人物だけで2冊の絵本がある。この大きな変化の時代に、多くの人たちが熱心に自分たちの住んでいる国や地域、人々の生活や子孫の繁栄を真剣に願い、活動されてきたことが伝わる。
今までは「ただの風景」だった鉄道やトンネル、河川、港などが、実は、多くの人の努力で安全な形になったと思うと、有難い気持ちでいっぱい。
読み応えがあるので、大人もぜひ読んで欲しい。 (渡”邉恵’里’さん 40代・その他の方 )
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