プッチェットは素敵な帽子を持っていましたが、なくしてしまいます。 その帽子を見つけたのはチョッケット。 チョッケットはプッチェットに、「パンをくれなきゃ、ぼうしはあげない」と言います。 そこでプッチェットはパン屋さんに行きますが、今度は「ミルクをくれなきゃ、パンはあげない」と言われ……。 こうして、みんなが欲しがるものを求めるプッチェットの長い長い旅が始まったのでした。
日本の昔話「わらしべ長者」に似ているけれど、こちらは「交換してもらう」という点が真逆。わらしべ長者では最後に主人公はお金持ちになりましたが、プッチェットはどうでしょう。ちゃんと帽子を取り戻せるでしょうか?
クライマックスでの怒涛の展開は見ものですので、朗読のときには舌をかまないように気を付けながら楽しんでくださいね。
(近野明日花 絵本ナビライター)
なくしたぼうしを取り戻そうと、プッチェットは、パン屋、牝牛、ぶた、鍛冶屋、かしの木、風の所に行きますが、どこでも交換条件をつけられて……。積みあげ歌スタイルのゆかいな絵本。
イタリアのむかしばなし、と副題にあります。
語り継がれた、ということで、愉快な積み上げ話となっています。
プッチェットが、お気に入りの帽子をなくしての騒動。
おやおや、早々にチョッケットが拾いますが、
一筋縄では返してくれないのですね。
パンを要求するという理不尽ですが、そのパンを手に入れるために、
プッチェットはあちこちいろいろな物を手に入れることに。
散々歩き回りますが、存外に、一気に片付く爽快感が魅力です。
段々と積み上がるエピソードが、読み手泣かせのようですが、
いい塩梅で繰り返しのリズムとなっています。
何事もなかったかのような着地は、やはり鮮やかです。 (レイラさん 50代・ママ 男の子29歳、男の子27歳)
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