子供の頃に母親を人間に殺された子狐のきんた。造成されていく山から連れ去られて大きな家の子供たちのペットにされる。逃げ出そうとするわけでもなく幸福そうでもなく淡々と生活するきんたの前に、パーティーの来客がつけてきた襟巻きにされた母親が現れる。。。
とても辛い本です。
涙も出るけれど、それよりもずっと奥深い所で自分の心がキリキリと痛む実感に苦しみます。
小学生の時に読んで以来、表紙を見ただけであの痛みが蘇ります。
きっと作者のかこさとし氏の怒りが伝わってくる、きっと一度読めば記憶にこびりついてしまう本です。
読んでやりたいと思いながら、なかなか開くことができません。
しかし、動物への愛情が育ってきた今、人間達の自然破壊に微かながら疑問を持ち始めたらしい今、読んでやらなければならない本だ、と思っています。 (まんたろうさん 40代・ママ 男の子4歳)
|