北信濃に鉄道路線を展開してきた地方私鉄「長野電鉄」は、前身の河東鉄道の設立(大正9年)から今年で創立100周年を迎えました。この100年間は、鉄道路線網や輸送力の充実、志賀高原をはじめとする観光開発を進める中で、独自車両の開発や特急運行、長野市街地の地下鉄化、近代的駅舎の建設など、時代を先取りし、地方鉄道とは思えないダイナミックな動きを見せてきました。2000年代に入り、路線維持や観光開発が厳しくなる中でも、挑戦的な姿勢で、鉄道業界や鉄道ファン、沿線住民らに話題を提供し続けています。 本書では、鉄道省に提出した公文書や当時の地図、新聞報道・写真などの資料を基に、そこから見えてくる創成期の路線建設や構想、村山橋建設や地下鉄化などの大事業、魅力ある特急車両の導入や外国人観光客特需まで、100年間の動きを振り返ります。 また、長野電鉄が100周年を記念して公募、総応募数504作品となった「思い出エッセイ・作文コンテスト」の受賞作・上位作品計104点も収録。公文書や地図、報道、人々の記憶を掘り起こして1世紀の流れを追う、新タイプの鉄道歴史書です。
|