日本初の全文訳・訳註付『赤毛のアン』シリーズ第6巻
アン34歳、美しい村の炉辺荘(ろへんそう)に暮らす。 三男三女のわが子に慕われる母の喜び、医師の夫ギルバートを愛し愛される妻の幸せ、平穏な日常を生きる安らぎ、子どもたちの成長と冒険 。モンゴメリの生前最後に刊行された、記念すべき愛の傑作。
●アンの幸せな生き方 「普通の日というものはないのよ。どんな日も、ほかの日にはない何かがあるんですもの」 『炉辺荘のアン』第3章
●特徴1−日本初の全文訳 モンゴメリが、少女時代の男友達ウィル・G・プリチャードに捧げた「献辞」に始まる、日本初の全文訳。 従来訳で省略・改変された部分をモンゴメリの原書通りに翻訳。
●特徴2−巻末訳註で、約530項目について解説 作中に引用されるシェイクスピア劇、ミルトン、テニスン、キプリングなどの英文学、マザーグース、聖書の名句、移民国家カナダにおける登場人物の民族、ケルト、人名の意味、家政婦スーザンが作る料理と菓子、手芸、草花、動物、妖精、衣服、諺、音楽、カナダの地理と歴史、船舶、キリスト教など、本文中の約530項目について解説。 この長編小説の豊かな世界が存分に楽しめる。
●特徴3−口絵写真11点と地図2点 カナダと英国で訳者が撮影した本作ゆかりの写真11点を掲載。 炉辺荘のモデルの屋敷の外観と内部。 アンとギルバートが旅すると書かれているスコットランドの丘とメルローズの修道院跡、イングランドのエイヴォン川、シェイクスピアが眠るエイヴォン河畔の教会、モンゴメリが本作を書いたオンタリオ州の家。 プリンス・エドワード島北海岸とカナダ東部の地図2点。
●特徴4−あとがき……小説をより深く味わうために 一、モンゴメリの生前最後に刊行された本、アンが主人公のシリーズ最後の巻 二、小説の舞台……グレン・セント・メアリ村、炉辺荘 三、登場人物……六人の子どもたち、家政婦スーザン、クリスティーン・スチュアート 四、全四十一章の構成 五、本作第33章〜ピーター・カークの葬儀、類似する別の短編小説「報復」 六、家庭生活の喜び〜菓子と料理、手芸と庭作り、動物たち 七、キリスト教の教えを伝える母アンの人生は「生きている使徒書簡」を書くこと 八、本作を捧げた男性ウィルはギルバートのモデル 九、本作執筆時の六十代半ばのモンゴメリ 十、アンの生涯、「人生のささやかにして甘美なものはすべて、その道に撒かれている」
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