「今を生きる」子どもたちが教えてくれる光
大地(58歳)は妻に突然先立たれ、自暴自棄の状態。愉しみは三日月の夜に現れる妻の気配と会話すること。そこで亡き妻から、彼女の切実な願いだった「子どもを育てる」の実践を頼まれてしまう。しぶしぶ学童保育所のバイトを発見し働き始める大地。ある程度働いたら、自分も妻の後を追うつもりだった。 そこで出逢う令和の子どもたちとのやりとりは想定外のことばかり。親の離婚、発達障害、愛着障害、不登校・・・子どもたちの悩みや心の傷、ピュアな思いにふれるうちに、知らず知らず大地にも大きな変化が訪れていく。子どもも、大人も、みんな「うまくいかない」何かを抱え、もがきながら生きている。 そんなある日、ある保護者から、大地は思いもかけない大きなギフトを受け取る。それは、亡き妻からの大切な思い--「生きる希望」。 そして、大地はある決心をするのだった。
【編集担当からのおすすめ情報】 著者の村上しいこさんは、児童文学におけるベストセラー作家。村上さんならではの「いま」の子どもたちの声や描写が真っ直ぐ心に飛び込んできます。時には大笑いしたり、共感したり、思わず一緒に涙ぐんでしまったり・・・・・。 子育て、とは不思議なものです。子どもに寄り添い、育てているつもりが、実は一番育ててもらっているのは、一緒にいる大人の心だったりするものです。そんな大切なことを、この作品は気づかせてくれます。かつて子育てしていた方、今子育て真っ最中の方、教育関係者の方々・・・・。子どもを見守る多くの大人たちに、是非読んでいただきたい物語です。 主人公の「おっさん」大地の、思わず笑ってしまう「昭和男っぷり」にも注目です。
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